14機種の有名なスティック型DACを聴き比べしてみた。
それぞれの音質・音色の違いなんかの所見をまとめておきたいと思う。
↓聴き比べした機種は、以下の14種類↓
では、さっそく各DACのスペックや音質をレビューしていく。
↓最初に個人的なトップ3を発表↓
①Shanling UA3
②iBasso DC02
③Audiolab P-DAC
の3機種だ。
細かいレビューはいいから、手っ取り早くいい音のおすすめDACが知りたい!
という人は、最後にトップ3のカンタンなおさらいレビューとリンクを載せてあるので、ページの後半まですっ飛ばしていただいてもOKだ。
スティック型DAC聴き比べ!最強のモデルはどれだ!?
今回、DAC比較のための試聴環境は以下↓
音楽のジャンルとしては、洋楽邦楽問わず、ポップスやJAZZ、フュージョン、AOR、クラブミュージックなどの名盤を中心に、長年愛聴している楽曲を数曲ずつ聴き比べた。
リファレンス曲は、スティーリー・ダンのGAUCHO。
音源はAmazonが提供しているハイレゾ聴き放題サービスのAmazonミュージックHDを使用。
余談だが、数ある音楽サブスクの中でもAmazonが一番音質がいいと思う。
データ形式がオーディオマニア定番のFLACなので、解像感の高いクリアな音が楽しめておすすめだ。
今なら30日間無料で試せるので、まだ未体験のあなたは、この機会にぜひ一聴してみるべし。
曲数も膨大だ。
では、14機種それぞれの細かいレビューをお届けする。
iBasso DC01
搭載DACチップ:AK4493
オペアンプ:不明
高音☆☆☆☆4
中音☆☆☆☆4
低音☆☆☆3
解像度☆☆☆☆4
クリアさ☆☆☆3
生々しさ☆☆☆☆4
総合評価☆☆☆3.5
iBasso DC01は旭化成(AKM)の高級オーディオ用DACチップAK4493を積んでいることで、かなり人気。
今のスティック型DAC人気の火付け役的な存在。
音質の特徴は、AKMチップの特徴である
「角の取れた、丸みのあるていねいな音」
という表現がしっくりくる。
バランスがよく、フラット傾向だけど、若干ミドルが持ち上がっている「かまぼこ型」のような印象を受ける。
中音域はふくよかに鳴ってくれるが、低音が少し軽い。
高音域は、角がとれて丸みがあって滑らか。
声などの中音域の再現性は素晴らしい。
さすが旭化成の「Velvet Soundテクノロジー」のDACチップだ。
AKMのチップは、設計思想も興味深い。
半導体の回路内の曲がり角に丸みをつけるなど、めちゃくちゃ電気信号の導線にこだわっているらしい。
AKMチップの開発者曰く
「電気の気持ちになって考えてみようよ」
とのことらしい笑。
参考記事↓
それが音質にもよく表れていると思う。
本当に、絹のようなやさしい音。
ただ、全体的にクリアさが今一歩なのが残念。
高音域のシンバルなどが、曇ってすこし歪んで聞こえる。
2.5mmのバランス接続端子のみだが、以下のような変換ケーブルを使うことで、3.5mmのアンバランス(一般的なイヤホン・ヘッドホン)でも使えるようになる。
iBasso DC02
搭載DACチップ:AK4490
オペアンプ:不明
高音☆☆☆☆4
中音☆☆☆☆☆5
低音☆☆☆☆4.5
解像度☆☆☆3.5
クリアさ☆☆☆3.5
生々しさ☆☆☆☆☆5
総合評価☆☆☆☆4.5
iBasso DC02は旭化成(AKM)の高級オーディオ用DACチップAK4490を積んでいる。
AK4490は、DC01に搭載されているAK4493の一世代前のDACチップだ。
旭化成のDACチップが高級ヘッドホンアンプや据え置きDACにも採用されるきっかけになった記念碑的なチップがAK4490。
なので、このチップの根強いファンも多いらしい。
音質は、やはりAKMらしく、中音域がとても豊かで色気たっぷり。
中低音の解像度が良好。
ドラムなどの打楽器(キックやスネア、タムなど)がやけに生々しい。
ボーカル・声の再現性も素晴らしい。
ボーカルにまとわりつくようにかかっているリバーブの種類などをかなり細かく聞き分けられる。
中低音域をじっくり味わえるためなのか、「一曲一曲がゆっくり聞こえる」ような独特の不思議な感覚を味わえる。
これは他のDACでは味わえない、ホントに唯一無二な個性だ。
ただ、超高音域は、正直弱い。
AKMのVelvet Soundテクノロジーチップなので、絹のように滑らかな音質は魅力的なのだが、重心が中音&低音に偏っており、シンバルなどがあまりキレイに伸びない。
左右のセパレーション感は良好なので、ヘッドホンで聴くとステレオ感がクッキリしていて気持ちいい。
この低音の音質を保ちつつ、超高音域がもっとヌケてくれたら、最高なのだが…と思う。
色々なDAC機種に浮気しても、なぜかコイツに戻りたくなる…。
決してカンペキではないが、手放したくならない個性・色気が魅力のDACがDC02だ。
ただし、出力は弱めなので、インピーダンスの高いヘッドホンだと鳴らし切れないだろう。
イヤホンや低インピーダンスヘッドホンで聴くべき。
iBasso DC03
搭載DACチップ:シーラスロジックCS43131x2(デュアル)
オペアンプ:CS43131x2(一体型)
高音☆☆☆☆4
中音☆☆☆☆4
低音☆☆☆☆4
解像度☆☆☆☆4
クリアさ☆☆☆☆4
生々しさ☆☆☆3.5
総合評価☆☆☆☆4
iBasso DC03は、アメリカテキサスにあるシーラスロジックというチップメーカーのオーディオ用DACをデュアルで搭載した機種。
CS43131の最大の特徴は、DACとヘッドホンアンプ部が一体型になって一つのチップ内に構成されているということ。
DAC(デジタルアナログコンバーター)とOPAMP(信号増幅)が同一設計で行われている。
これによって、基盤の回路も断然シンプルになる。
そのおかげなのか、DC03の音質はとてもレベルが高いものになっている。
DC01やDC02に比べて、全体的なクリアさがグッと増している。
中音域や低音域に不自然な強調もなく、かなりのフラット傾向。
モニター用途としても使えるくらいに素直でフラットな音がアウトプットされる。
左右独立してCS 43131を配置しているので、パックリ・ハキっとしたセパレーションが楽しめる。
ステレオ感があって、聴いていて面白い。
音が左右から玉手箱のように飛び出して聞こえる。
ただ、このセパレート感・ステレオ感は、音源本来のものなのか?それとも、デュアルDACで若干強調されたものなのか?という点には疑問が残る。
DC03で音楽を聴くと、ステレオ感全開なので楽しいが、それが果たして本来の定位感なのかは、微妙。
音質的にはフラットなのだが、定位感は独特なので、長時間聞いていると、ちょっと耳が疲れる。
大げさにいうと、音源全体にステレオショートディレイをかけているような、そんな過度な演出感を感じてしまう。
繰り返すが、これが本来のステレオオーディオのカタチなのか、それとも、このDC03が強調しすぎているのかは、現時点のぼくにはわからない。
ただ、ただ、面白い音が出てくる。
そして単に面白いだけではなくて、きちんとバランスの良い生き生きとした音が出る。
出力も高めなので、高インピーダンスのヘッドホンなども鳴らしやすいだろう。
デメリットとしては、やはり、左右のセパレーションがあまりにも独特なので、定位感が他の環境(スピーカーなど)で聴くのと全然変わって聞こえるという点。
それと若干だけど、超高音域に雲がかったような歪みがある。
シンバルの抜けがもう少し良ければな…と思ってしまう。
一音一音に色気のような生々しさはあまり感じられないのが、ちと残念。
短時間なら面白いけど、長時間だと聴き疲れする音…という感じだろうか。
iBasso DC05
搭載DACチップ:ES9219C x2
オペアンプ:不明?
高音☆☆☆☆4
中音☆☆☆3
低音☆☆☆3
解像度☆☆☆☆4
クリアさ☆☆☆☆☆5
生々しさ☆☆☆3.5
総合評価☆☆☆☆4
一聴して感じるのは、高音の抜けのよさ。
ESSのDACチップ特有の透明感のあるクリアさが強烈。
NDK社製フェムト・クロック水晶発振器
という高品質なクロックを使用していることも相まって、とにかくクリアさ、抜けのよさという点では他のDACと比較しても頭ひとつ抜けている。
高音が強烈すぎて賛否両論
が、デメリットとして、その抜けのよさが「痛い」「刺さる」と感じる場面もかなり多い。
ヘッドホンやイヤホン環境だと刺さりが顕著に現れてしまうようだ。
ESSのDACチップは総じて高音がキツイ印象。
スピーカーで聴くと程よく角がとれて聞きやすそうだが、イヤホン・ヘッドホンだとダイレクトすぎて少し聞き疲れしてしまうかな…と思った。
低音はあまり出なく、中音域も少し弱め。
高音域のヌケのよさに全振りしたようなモデルがDC05かなと感じた。
SHANLING UA1
搭載DACチップ:ES9218P
オペアンプ:不明
高音☆☆☆☆4
中音☆☆☆☆4
低音☆☆☆☆4
解像度☆☆☆☆4
クリアさ☆☆☆☆4
生々しさ☆☆☆3.5
総合評価☆☆☆☆4
SHANLING UA1は、アメリカ・カリフォルニアESS社のDAC(ES9218P)を搭載している。
ESSのDACチップの特徴である「圧倒的なクリアさ・歪みの少なさ」が5000円台という低価格で味わえる、超コスパ良好なモデルだ。
AKMやシーラスロジックのチップに比べて、ハッとするほど鮮明。
クリア=分析的でつまらない音
となりがちだが、SHANLING UA1はしっかりと音楽の生々しさも表現してくれる。
そして、高音域が刺さるギリギリで、しっかりと丸みがあり、やさしさ・なめらかさも同居している。
バランスがよく、悪いところを探すのがむずかしい笑
コストパフォーマンスもすごいし、安くて予算が少ない人にはおすすめできる。
ところが、iBassoのDCシリーズ同様に、2021夏に生産中止になってしまったのが残念。
ウイルス騒ぎの影響で、半導体の調達が難しくなったのが原因か?
SHANLING UA2
搭載DACチップ:ES9038Q2M
オペアンプ:RT6863
高音☆☆☆☆☆5
中音☆☆☆☆4.5
低音☆☆☆☆4
解像度☆☆☆☆4
クリアさ☆☆☆☆☆5
生々しさ☆☆☆3.5
総合評価☆☆☆☆4.5
SHANLING UA2は先代のUA1と同じくESS社のDAC搭載している。
ES9218PからES9038Q2Mに変わっている。
オペアンプも強化されたようで、RT6863という、Ricore社製(香港のオーディオメーカーのようだ)のアンプを一機積んでいる。
出音がすごくキレイで隅から隅まで整っている。
超高音域、高音域、中音域、低音域、全体にわたって、圧倒的にフラットでバランスのよい音。
左右のセパレーション感も自然で、音源本来の立体感を味わえる。
定位も不自然さがなく、極めて上品。
デメリットは?
デメリットとしては、あまりにも整いすぎている音質なので、店頭などのガヤガヤした試聴環境だと、あまり良さがわからない可能性もある。
良い意味で無色透明…という感じなので、他の個性的なDACと聞き比べると、
「なんか、普通じゃね?」
と、思ってしまうかもしれない。
欲を言えば、もう少し「色気」みたいなものあってもいいかなとも思う。
極めて優等生なDACなのだが、AKMチップ搭載のDC01やDC02のような独特の生々しさみたいなものはちょっと足りない気もする。
ボーカルなどの中音域に、少しだけ「ざらつき」があるというか、ボソッと乾燥した音質に聞こえなくもない。
超優等生なんだけど、なにかが足りないような…。
明らかにいい音なのはわかるのだが、ツヤ感がいま一歩。
超高音域は伸びに伸びるので気持ちいいのだが、長時間聞いていると、耳が痛くなってくるような時もある。
あまりにもシンバルがシャン!シャーン!と盛大に鳴りまくるのだ。(シャンリンだけに笑)
この辺りがESSかAKMか、好みが分かれるポイントなのだろうな。
高音域のクリアさ、ヌケのよさをとるならESS系
中低音の色気・生々しさが欲しいならAKM系
といった感じか。
SHANLING UA3
搭載DACチップ:AK4493SEQ
オペアンプ:RT6863x2
高音☆☆☆☆☆5
中音☆☆☆☆4.5
低音☆☆☆☆☆5
解像度☆☆☆☆☆5
クリアさ☆☆☆☆☆5
生々しさ☆☆☆☆4.5
総合評価☆☆☆☆☆5
2022年7月に登場したUA3。
旭化成エレクトロニクス製の新世代DACチップ「AK4493SEQ」をいち早く投入したShanlingの意欲作。
オペアンプもデュアル仕様になった。
高精度-低位相雑音クロック搭載ということで、クロック周りも強化された。
一言でいうと、
これは2022年時点でベストバイで間違いない傑作だ。
先代のUA2と比較しても、圧倒的といってもいい進化を遂げている。
一聴してわかるのは、広大な音場の実現。
UA3を聞いた後にUA2に戻すと、「こんなにレンジが狭かったのか…」と思わせられてしまうほど、UA3のレンジ感・空間の広さは秀逸。
音の立ち上がりのていねいさも、さすがAKMのDACだなと感じさせられる。
低音の量感〜ヴォーカルなど中音域の生々しさ、密度〜シンバルなどの高音域のナチュラルさ
全体域に「余裕がある」鳴り方は圧巻。
正直、UA3を手に入れてしまうと、その他のスティック型USB-DACが「おもちゃか?」と感じられてしまうほど、音質が頭ひとつ抜けている。
今回の14機種比較の中でも、ダントツで強い。
それでいて、価格は約1万5千円ほど。
2022年時点で、このUA3以外を選ぶ理由がないほど、スティック型DACの傑作。
買うならコレで間違いない。
Audiolab P-DAC
搭載DACチップ:ES9018
オペアンプ:ESS製(型番不明)
高音☆☆☆☆☆5
中音☆☆☆3.5
低音☆☆☆3.5
解像度☆☆☆☆4.5
クリアさ☆☆☆☆☆5
生々しさ☆☆☆3.5
総合評価☆☆☆☆4.5
Audiolab P-DACは英国のオーディオメーカーAudiolabから発売されているスティック型ヘッドフォンアンプだ。
ESSの高性能チップES9018搭載で、オペアンプもESS製だ。
DACとオペアンプ両方にESS社のチップが選ばれているので、音の傾向としては、ESSの特徴が濃厚に出ている。
クリアで、解像度が高く、見通しが良い。
反面、少しドライで冷たいような質感に聞こえることもある。
バランスは極めてフラット傾向。
無色透明。
今回試聴した14機種の中で、もっともモニタースピーカーで聴くのに近いような、フラットさが最大の特徴だ。
正直、面白みという面では魅力に欠けるかもしれないが、
逆にいうと、長時間聞いていても全然違和感を感じないし、聴き疲れしない。
飽きないで何時間も高音質でいい音楽に浸ることができる。
案外、こういう音が本当にいい音なんだろうな…
と、初心に帰らせてくれるような「山郷の湧き水」「白ごはん」のような音だ。
Audiolab P-DACは、国内代理店があまり宣伝していないせいか、あまり知名度はないが、値段も5000円なのにESSのDACとオペアンプを積んでいて、コスパは14機種の中でもピカイチだ。
音とは関係ないが、筐体デザインもシンプルで上品なアルミなので、MacBookにとてもマッチしてステキである。
ESS社製品で上流(DAC)から下流(オペアンプ)まで固めているという安心感もあり、目立たないが、とてもレベルが高いおすすめのDACだ。
一家に一台。
Astell&Kern PEE51
搭載DACチップ:CS43198デュアルDAC
オペアンプ:不明(左右独立型)
評価☆☆☆☆4
Astell&Kern PEE51を量販店で試聴してきた。
DACチップにシーラスロジックのCS43198をデュアルで搭載している。
CS43198は、iBassoDC03にも使われているCS43131と兄弟のようなチップだ。
CS43198とCS43131のちがいは、オペアンプが一体型か、独立しているかどうかのちがいだ。
↓シーラスロジックの公式サイトから引用↓
ご覧の通り、両者のスペックはほとんど一緒。
ヘッドホンアンプが内蔵されているのが、CS43131で、デジタルコンバーターの機能だけに特化しているのがCS43198のようだ。
なので、音の基本的な傾向は、iBassoDC03と似ている。
ただ、Astell&Kern PEE51の方が、低音に迫力があるように感じだ。
どちらも、まさにデュアルDACという、ステレオ・セパレート感がパックリしていて、楽しめる音だ。
フラット指向ではない。
低音が豊かで、ギラっと金属的。そして左右に包み込まれるようなステレオ感。
定位もかなり強調されている気がする。
PEE51は、筐体もずっしりとした重みを感じさせるデザインで、手に持つとズシっとくる。
本当は軽い方が持ち運びには便利なのだが、高級感を醸し出すために「あえて」重くしているのだろう。
いかにも「高級機ですよ」という感じのニクイ演出だ。
ほぼ同じスペックなのに、DC03は7千円ほど、PEE51は13000円ほど。
PEE51はオペアンプ部分や、回路(コンデンサーなどにも拘っているらしい)がちがうので、そこに価値を見出せかどうかで好みが分かれそうだ。
ラディウス radius RK-DA50C
搭載DACチップ:Qualcomm Aqstic DAC
オペアンプ:不明(メーカー曰く「H級ヘッドホンアンプ」)
評価☆☆☆3
こちらも量販店での試聴。
旭化成やESS、シーラスロジックといった名だたるDAC搭載機と比較してしまうと、どうしても「普通のイヤホンアダプターの音」に聞こえる。
Qualcomm Aqstic DACの詳細はよくわからない。
調べるとWCD938x・WSA883xという型番があるらしいが、radius RK-DA50Cにどの型番のチップが使われているかまでは公表されていないのがもどかしい。
価格も8000円ほどと、なかなか高額なのでRK-DA50Cを買うなら、SHANLING UA1やAudiolab P-DACなどの方がコストパフォーマンスは高いと思う。
Ankerなどから発売されている1500円ほどの小型DACとあまり音の違いを感じることはできなかった。
IKKO ポータブルDACアンプ ITM03
搭載DACチップ:CS43198
オペアンプ:不明
評価☆☆☆3
こちらも量販店での試聴。
Astell&Kern PEE51と同じCS43198を搭載しているDAC。
こちらはデュアルではなくシングルチップ仕様。
正直、音の質感は特筆すべき点はなかった。
ごくごく普通の音がする。
1万円超えの価格に見合うかと言われると、かなり疑問。
AudioQuest DragonFly Black
搭載DACチップ:ES9010
オペアンプ:不明
評価☆☆☆3.5
量販店での試聴。
明るくて元気な音。
DragonFlyシリーズの中では、一番生き生きした音が出た。
立体感があってメリハリがあった印象。
AudioQuest DragonFly RED
搭載DACチップ:ES9016
オペアンプ:不明
評価☆☆☆3.5
量販店での試聴。
すごくクセのない素直な音。
パッと聴いた感じだと、あまり良さを認識することは難しいかもしれない。
ガヤガヤした量販での試聴だったので、正直、きちんと聴けていないのが悔やまれる。
悪い印象はないが、特にいい印象もなかった。
AudioQuest DragonFly COBALT
搭載DACチップ:ES9038Q2M
オペアンプ:ESS Sabre 9601
評価☆☆☆3.5
量販店での試聴。
短時間の試聴しかできなかったので、あまりきちんと聴くことができなかった。
ESSのDACとオペアンプを使っているので、非常にクセのない素直な音が楽しめる。
おまけ:Ankerの激安DACアダプター
搭載DACチップ:不明
オペアンプ:不明
評価☆☆☆3
最後におまけとして、モバイルバッテリーで有名なAnkerのハイレゾ対応USB-CオーディオDACも紹介しておく。
実売価格1500円ほどで買える、激安のハイレゾDACアダプターだ。
これが、意外にも元気でいい音を出してくれる。
今回紹介している高級DACチップを積んでいる機種に比べると、どうしても粗い音なのは否めないが、スマホやPCのイヤホンジャックから直差しで聴いているよりは遥かにクリアでいい音が手軽に楽しめる。
まとめ:個人的おすすめトップ3をおさらい
というわけでスティック型オーディオDACを14機種紹介した。
今回、いろいろと聴き比べて分かったのだが、DACひとつで本当に音の世界が全然変わってしまうということ。
イヤホンやヘッドホン自体を変えるほどのインパクトはないが、「高級ケーブルにリケーブル」してアレコレ手を出すよりも、自分好みのDACを見つけた方が、費用対効果は高いと感じた。
最後に、個人的なトップ3をおさらいしておわりにしたい。
①Shanling UA3
②iBasso DC02
③Audiolab P-DAC
第1位:Shanling UA3
2022年7月に発売になったShanling UA3。
これは本当にゲームチェンジャーレベルで音がいい。
国産DACチップの雄である旭化成AKMの新世代4493SEQの圧倒的な空間表現の豊かさを堪能できる。
左右独立バイアンプ仕様なのも、広大な音場獲得に寄与している。
・深く沈むような低音
・生なましいヴォーカル
・刺さらないけどしっかりきめ細やかに抜ける高音域
という具合に、ほぼ完ペキにフラットでありながら臨場感たっぷりに楽しく聴かせてくれる。
UA3を聞いてしまうと、他のDACがおもちゃか?というほどしょぼく見えてしまう。
2022年のマストバイ・ベストバイで間違いない機種だ。
迷ったらコレが正解です。それくらいレベルが高い。
第2位:iBasso DC02
14機種の中で第2位は、悩みに悩んだが、iBasso AudioのDC02にしたいと思う。
旭化成AKMの最高級DACチップAK4490から出てくる、なめらかでていねいな音作りは唯一無二だと感じた。
音のレンジ自体は狭いような気もするし、超高音域の抜け感もESS系には劣る。
だが、それを許したくなるほどの中低音のヌルッとした生々しさは、一度ハマるとクセになる。
DC02は、他のDACにはない、本当に独特の鳴り方(音楽がスローに聞こえるような)がするのだ。
ライブ感・生々しさ・ツヤ…
まるできちんとしたカートリッジをつけたアナログレコードで聴いているよう。
DC02(というかAK4490か?)でしか出せない「生鳴り」は一聴の価値あり。
AK4490は日本メーカーのていねいさがよく出ている傑作DACチップだと思う。
あらかじめ5分ほど予熱を与えて、本体がある程度暖まってから聴くことをおすすめする。
|
第3位:Audiolab P-DAC
そして3位は、英国AudiolabのP-DAC。
ESS9018とESSのオペアンプという組み合わせ。
「無色透明」という言葉がぴったりの、圧倒的なクリアさ・フラットさが魅力。
ESSチップなので生々しさはあまりないのが残念だが、クールに分解的・分析的にさまざまな音楽ソースをアウトプットしてくれる。
ドラえもんでいうところの出来杉君みたいなDACだ笑。
色々なDAC、リケーブル、イヤホン、ヘッドホンを試したりして、耳と頭がごちゃごちゃになっても、コイツがあればリファレンスとして使える。
以上!
お付き合いありがとうございました!!
音楽ソースはアマゾンのハイレゾ聴き放題サービスとApple Musicを使用。
高音質で曲数も膨大。
解像度もかなり素晴らしい。
まだ試したことがない人は、30日間無料で使えるので、
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