高い声で歌えるようになるために、本屋さんで色々なボイトレ本を漁っていた時に見つけたのが、「奇跡のハイトーンボイストレーニング」という本。
YUBAメソッドという独自の高音発声法を教えている弓場徹さんという方の本です。
今回は、この本を使って1ヶ月ほどトレーニングしてみた感想をレビューしていきます。
結論から言うと、
タメになるけど、かなり根気のいるトレーニングだな…
という感じですね…。
割とハード、、というか、正しいやり方のコツを掴むのがムズい印象。
それでは、詳しくお話します。
ボイトレ本「奇跡のハイトーンボイス」を1ヶ月やってみた感想と効果
このYUBAメソッドというトレーニングのかなめになっているのが、
「高い音を出すためのノドの筋肉を鍛えよう!」
というもの。
とくに、「裏声」を鍛えるように指導されます。
裏声を鍛えることによって、地声でもハイトーンで歌えるようになっていく!
という理論だそうです。
ですので、かなり筋トレ的なメニューでボイストレーニングが構成されています。
付属のCDを聴きながら、ウラ声を出してトレーニングしていくのですが、良くも悪くも、筋トレ的で、単調なトレーニングを愚直にこなす…という感じです。
著者の弓場徹先生とは何者?
ちなみに、この弓場先生という方は、なかなかの実績のある方で、アメリカのメディアなどでも「音痴を治す先生」として紹介されたこともあるほど。
音声学・発声学の第一人者のコーネリウス・リード教授から直接指導を受けた経験や、一緒に研究論文を出していたりする、なかなかスゴイ先生です。
そんなスゴイ経歴の弓場先生の本ということですので、ぼくも愚直にトレーニングをしていますが…。
正直、すぐには目に見えた効果はまだ出ていませんね…汗。
YUBAメソッドの理論:高い声を出すための筋肉を鍛える
詳しくは本の中に書かれているのですが、カンタンにこの「軌跡のハイトーンボイス」および「YUBAメソッド」のボイストレーニングの理屈を説明しておきます。
裏声を出すことによって、ノド仏のあたりにある「声帯を引っ張る筋肉」を鍛えることができるのだそうです。
「声帯」とは、ご存知のように、ノド仏にある部分。
この声帯の間を空気が通り、揺れることによって、声が出るというのが、人間の発声の仕組み。
この図がわかりやすい
そもそも声帯を締める(首締めるみたいに全体を締める)というかんがえがまちがいで
あくまで声帯でやることは閉じるか開くだけってかんじですね。
閉じてる時が地声。空いてる時が裏声ですね。
裏声を地声に近づけるときは裏声のだし方をしながら声帯を閉じるという感じですね pic.twitter.com/psLcgRk011— らすとげーむず (@7cdk) August 2, 2019
で、この声帯を、グッと引っ張ってあげると、まるで強く張ったギターの弦は高い音が出るのと同じように、声も高くなるんだとか。
つまり、声帯を強く引っ張る筋肉というものを鍛えることができれば、自然に高い声で歌えるようになる!というのが、YUBAメソッドの中核となる理論です。
この声帯を引っ張る筋肉というのは、「輪状甲状筋」といいます。
裏声を出すことによって、この輪状甲状筋を鍛えることができるので、高い声をラクに出せるようになったり、音程自体もかなりとりやすくなるのだそうです。
甲状軟骨と輪状軟骨をつないでいる輪状甲状筋が収縮することで、甲状軟骨が前傾し声帯ひだが引き伸ばされます。
高音になればなるほど、声帯は細く引き伸ばされなければなりませんが、張りのある高音を手に入れるためには、やはり引き伸ばし上手になることですね!☺️ pic.twitter.com/mmT3DhRkyh— 吉田稔 Minoru Yoshida (@ysdmnrysdmnr) June 11, 2019
ようするに、
声の高低を決めている、かなり重要な筋肉だということです。
トレーニングは7つのコースに分かれていてわかりやすいのだが…
「そうなんだ!?なんか、シンプルな理屈だね〜」
「じゃあ、とにかくそのリンジョウなんとか筋を鍛えれば高い声で歌えるようになんのね?カンタンじゃん!」
って感じですよね。
というわけで、ぼく自身かれこれ、1ヶ月くらい、毎日のようにトレーニングしているのですが…。
正直、まだハッキリとした変化は出ていないというのが現状ですかね…涙。
トレーニングのコースは、元々の声の高さに合わせて7つにわかれています。
【軌跡のハイトーンボイスのトレーニングコース】
男低音
男中音
男高音
男超高音/女低音
女中音
女高音
女超高音
という7つです。
この7つのコースは、メニュー自体は全て同じ内容。
高さが違うだけです。
なので、まずはCDを聞いて、裏声を出してみて、自分ができそうなコースを選んではじめられます。
一人一人が自分のペースで、ムリせずにボイトレできるという点は素晴らしいですね。
1ヶ月やってみた効果:やり方が間違っているのか、あまり目立った成長はせず…
とはいえ、先ほども言いましたが、
ぼくはかれこれ1ヶ月ほどこのトレーニングをやっているのですが、なかなか成果が出ていません…涙。
その理由を考えてみました。
高い裏声は出るのに、地声では高い声が出ないという問題
この本を買ってまず最初にすることは、付属のCDを使って、自分がムリせずに出せる裏声のキーを知ることなのですが、
ぼくは、いきなり4番目の「男超高音」の裏声が出せてしまいました。。
「アレ??普通に出るんだけど…」
って感じで、拍子抜けしてしまいましたね…汗。
で、本に書いてあるのは、
「男超高音のパートの裏声が出せれば、ほとんどの男性ポップスの曲が歌えるようになる…」
というもの。
ですが、ぼくの地声は、全然そんなレベルではなく、高いラ(HiAというんでしょうか、粉雪の最高音)がムリしてなんとか出るか出ないか…というレベル。
う〜ん…なにかやり方が間違っているのかなぁ…。
と、途方にくれてしまいました。
輪状甲状筋の感覚はかなり掴みにくい
原因として考えられるのは、筋肉の使い方が間違っている可能性。
ぼくの場合、裏声を出すときに、あまり輪状甲状筋を使えてなくて、空気を押し出す勢いだけで発声してしまっているのかもしれません。
輪状甲状筋が、「今動いてる!」という感覚がわかればいいんですけどね…汗。
ノドの奥にある、かなり小さい筋肉のようなので、感覚を掴むのが一苦労です。
最近は、あまり高い裏声の最高音を出すことばかりに固執せずに、裏声の持久力をあげるようなトレーニングを自分で作ってやったりしています。
そっちの方が、なんとなくですが、「これが輪状甲状筋かもな…」と、ノドの動きを感じることができてきているような気がします。
弓場先生のメソッドとは違うのですが、裏声のハミングで色々な歌を歌うトレーニングというのも、やっていて、こちらはなんだかけっこう効いてる感じです。
参考:自宅ボイトレで高音が覚醒!3日坊主のサラリーマンが3日で声を変える方法
瞬間風速的に一瞬だけ高い音を出すのだと、うまく輪状甲状筋を鍛えられないのかもしれません。
逆に、一曲まるっと全て裏声で歌う練習をすることによって、息の量に頼らずに、ノドの筋トレが出来そうかなと。
かなりスパルタですけどね…。
まとめ:裏声を鍛えるのはボイトレ&高音発声の基本らしいので、地道に継続あるのみか
さて、今回は弓場徹著「軌跡のハイトーンボイス」というボイトレ本のレビューでした。
弓場先生はユーチューブもやっていて、その中で「地道にやっていくしかない。最初はかならず谷がある」などともおっしゃっていますので、あきらめずにコツコツとノドの筋肉を鍛えていこうかなと思いますね。
裏声を鍛える=高い声が出るようになる
という理屈は、他のボイトレ本を読んでいても頻繁に出てくる定番の理論のようですので、高い声が出なくて悩んでいるかたは、ぜひ一度は試してみるべきトレーニングだと思います。
本とCDだけだと、正直なかなか輪状甲状筋の動きのコツが掴みにくいのが難点ですが、カンのいい方ならきっとぼくよりも早く効果が得られることでしょう。
この本、アマゾンなどで中古でかなり安く出回っていますので、少しでも興味がある方は、ぜひゲットしてみることをおすすめいたしますぞ。
中古で買うときは、必ずCDが付属しているかどうかを確認することをお忘れなく。
CDがないと肝心のトレーニングができませんので…。
(改訂版になって表紙デザインが変わってますね)
同じく弓場先生のミックスボイスの本も買いましたが、こちらはさらに細かいトレーニングが満載。
まだあまり出来ていませんが、輪状甲状筋だけではなくて、閉鎖筋のトレーニングメニューも多いので、総合的に発声を学べそうな内容。
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