男性ならOfficial髭男dismやクイーンのフレディーマーキュリーのような、女性なら宇多田ヒカルのような速くてキレイなビブラートを習得してみたくはありませんか?
今回は、横隔膜ビブラートの「速度」を速める方法について説明します。
横隔膜をつかった高速ちりめんビブラートをマスターする方法を5ステップで解説!
一般的に、高速で揺れるビブラートのことを、日本では「ちりめんビブラート」などといったりもしますよね。
じつは、ちりめんビブラートには2種類あって、
- ノドでかけるちりめんビブラート
- 横隔膜を速く動かしてかける高速ビブラート
の2種類です。
一般的に、ノドでかけるタイプのビブラートの方が、コツさえつかめば、カンタンに速いビブラートをかけることができますし、
ボイトレの先生なども、
「ちりめんビブラート=ノドのビブラート」
と、教えているケースがほとんどです。
関連:喉でかけるちりめんビブラートのやり方は「ヒツジのマネ」だった!?
ですが、冒頭に紹介したように、ビブラートがうまいトッププロのシンガーのほとんどが、じつはちりめんビブラートを「横隔膜のコントロール」によって生み出しています。
だから、あんなに安定感があり、魅力的な表現ができるのです。
「マジで!?」
「あんなに高速なビブラート、腹でかけられてるわけないだろう…」
と思うかもしれません。
ぼくも、昔はそう思っていました。
高速のちりめんビブラートって、てっきり「ノド」でかけているものだと思っていましたが、それは間違いでした。
きちんと練習すれば、誰でも、あなたでも、憧れのアーティストのような安定した高速横隔膜ビブラートは習得できます。
ぼくもできました。
前置きが長くなりましたので、本題に入ります。
さっそくですが、横隔膜を高速で動かして、ホンモノの高速ビブラートを習得する方法をお話ししていきます。
まずは基本のビブラートができているか確認しよう
はじめの注意:
今回の方法は、お腹(横隔膜)を使ったビブラートができる人向けとなっております。
スピードはゆっくりでいいので、ビブラート自体はかけることができるという人向けです。
「そもそも、ビブラートの掛け方がわからん!」
という人は、以下の動画などを参考にしていただき、まずは横隔膜ビブラートをゆっくりでもいいので、できるようにしましょう。
ビブラートや発声でおすすめの本↓
横隔膜ビブラートのやり方についてかなり詳しく書かれた良書です。
ちりめん横隔膜ビブラートのやり方
では、お腹ビブラートを、ちりめん並みに高速でできるようになる練習法の解説です。
まず結論ですが、
「裏声ハミングのロングトーンをつかって、ビブラートの速度を徐々に上げていく」
という練習法となります。
はじめに、スマホにメトロノームアプリをダウンロードして、
メトロノームのテンポを「100」くらいに設定して鳴らしてみましょう。
そして、
コチ、コチ、コチ、コチ、
というカウントの間に、3回ずつのビブラートを入れてみましょう。(3連符)
で、そのままロングトーンで規則正しく、ずっと同じリズムでビブラートをかけてみましょう。
テンポ100くらいなら、横隔膜ビブラート初心者でも、割と安定してかけられるはずです。
メトロノーム音:コチ、コチ、コチ、コチ、
ビブラート:(ンンン、ンンン、ンンン、ンンン…)
という感じです。
これで、約1秒間に約5回ほどのビブラートがかかっている状態となります。
これでもキツかったら、テンポを90などに落として、あなたが今、一番安定してかけられる速度をまずは探ってみてください。
まずはそこからスタートしましょう。
「どのくらいロングトーン伸ばせばいいの?」
ということについてですが、
ぼくのおすすめは、
「2〜3小節分ほど(8拍〜12拍)」
です。
短すぎると、勢いでできちゃった感が生まれやすいので、あまりトレーニングになりません。
長すぎると、地獄のような鬼トレーニングになってしまいます。
なので、2小節、もしくは3小節くらいのロングトーンを、休み休み、なんども練習するのがベストです。
最初のゴール:まずは1秒に6回の理想的なビブラートをできるようにしよう
ちなみに、
声楽的には、理想的な横隔膜ビブラートの回数は、1秒間に6回(6ヘルツ)とされています。
つまり、テンポ120BPMの4拍子がなる間に、12回のうねりということです。
1秒間に6回の理想的なビブラートのお手本は、以下の動画がめちゃくちゃわかりやすいので、ぜひご覧ください↓先生もイケメンですし。
(4分過ぎあたりからが参考になる)
この動画の通り、もちろん、1秒間に6回(BPM120の4拍子の間に12回)でも、かなりキレイなビブラートなのですが、
実際のところ、多くのプロシンガーは、もっと高速でビブラートをかけていますし、安定した高速ビブラートができるようになると、かなり「映え」ます。
ですので、最初は1秒間に6回でもかなり難しいと思いますが、めげずに愚直にトレーニングしてみてください。
本気で毎日やっていれば、1週間でテンポを5ほどはあげられるようになってきます。
さらにテンポ150ほどまで上げていく
ぼくはこの方法で、現時点でテンポ150BPMの4拍子の中に12回のうねりのあるビブラートをかけられるようになってきています。
特訓し出してから、3〜4ヶ月くらいですかね…汗。
けっこう長かったです…汗w
これは、冒頭にも書きましたが、Official髭男dismやクイーンのフレディーマーキュリーなどの、ビブラートがかなり速いシンガーのようなレベルの速度です。
これくらいの速度でビブラートがかけられるようになると、横隔膜の支えも安定しますし、歌っていてとても気持ちいいですよ〜。
横隔膜周りの腹筋(特に脇腹の腹横筋)やインナーマッスルもめちゃくちゃ鍛えられるので、ダイエット効果も抜群ですし笑。
できなくてもあきらめないで!ビブラートは鍛えれば徐々に速くすることができます
とはいえ、
ぼくも、最初は、ゆっくりでしかビブラートがかからなくて、おじいちゃんのカラオケ大会みたいになってしまっていました…汗。
ですが、メトロノームを使って、
「まずは自分が今、現時点でどのくらいのスピードで横隔膜ビブラートをかけられるのか?」
ということを測定し、愚直に練習していったら、だんだんとスピードを速めていくことに成功したのです。
最初は、メトロノームでテンポ100BPMを設定して、4拍子がなる間に12回揺らすのがやっとでした。
そこから、
スマホのメトロノームアプリをダウンロードして、ひたすらメトロノームをコチコチ鳴らし、一定の速度で安定してビブラートがかけられるというテンポを、徐々に速くしていく。
「昨日テンポ100でギリギリだったのが、今日は101でできた…!」
「1週間後には、105でもできるようになってきた…!」
こんな感じで、ホント、コツコツした地味極まるトレーニングです。
3日サボると、途端にスピードが落ちます。
こういう、地味で愚直なトレーニングを通じて、横隔膜周辺の筋肉を速く揺らせるようにしていくのです。
地味で泥臭いですが、横隔膜ビブラートの速度を速めるには、これしかないと思います。
なぜ裏声ハミングなのか?
ちなみに、裏声ハミングというのも、練習のポイントです。
「なんで裏声ハミングでやるの?地声じゃダメなの?」
と思うかもしれませんね。
地声ではなくて、裏声ハミングでの練習をおすすめする最大の理由は、地声で練習すると、ノドを痛めやすいからです。
繰り返しますが、
ビブラートの練習は、ようするに、横隔膜をいかに細かく、速く揺らせるかを鍛えるトレーニングです。
練習すればするほど、だんだん速くかけられるようになってきます。
筋トレに似ていて、じっくり毎日、時間をかけてトレーニングしていくと、徐々にプロシンガーのように速くかけられるようになってくるものです。
ですので、必然的に、
練習時間の多さ=ビブラートのスピードアップ
という感じになるので、練習量を増やすためにも、ノドに負担がかかりにくい裏声ハミングでビブラートの練習をするのが好ましいのです。
ハミングなら、あまり声も響きませんので、自宅でも音を気にせず練習できますしね。
毎日メトロノームで特訓すべし
スパルタに聞こえるかもしれませんが、
最低でも毎日30分くらいは、メトロノームの音を聴きながら、ひたすら横隔膜を揺らしてビブラートの練習をした方がいいと思います。
ぼくは、家でネットサーフィンしている時とかも、ずっとメトロノームを鳴らしっぱにして、毎日トレーニングしています。
ずっと地声で長時間ビブラートの練習をしていると、速攻でノドの閉鎖筋が先にやられてしまいます。(経験談)
もちろん、完全に裏声のみで練習してしまうと、地声でビブラートをかけたときに、うまくかけられない…ということにもなってしまいますので、裏声ハミング8割、地声での練習2割程度のバランスでトレーニングしていくのがよいでしょう。
基本的に、裏声で練習していき、
「さて、地声でどれくらいの速さでできるようになったかな?」
と、確認する感じで地声のビブラート練習も時折おこない、地声と裏声の両方でできるようにしていきましょう。
ちなみに、裏声の方が横隔膜にかかる負担が少なくて済むので、良くも悪くも、地声よりも速度を速めやすいです。
ですので、最終的に、
裏声でのビブラートの速さ100%
に対して、
地声では、80%ほどの速さ
くらいになります。
(差は人によるかも)
ですので、ぼくの場合ですが、裏声ハミングでテンポ130で12回のビブラートをかけられるようになると、地声でテンポ120で安定して12回(つまり1秒間に6回)のビブラートができるようになる…という感じでした。
揺らし方に慣れてきたら、地声や全ての母音でもチェックしつつ、スピードを上げていく
練習する裏声の高さは、あなたが一番ラクに出せる音程でOKです。
慣れてきたら、低めの裏声でやってみたり、高い裏声でやってみたり…という感じで、バリエーションもつけていきましょう。
ハミングばかりだと、母音のトレーニングになりませんので、たまには口を開いて、
あいうおえ全ての母音でも安定的にビブラートが狙ったスピードでかけられているかどうかもチェックしましょう。
ここまでやれば、もうすっかり横隔膜を小刻みに揺らす感覚が、かなりわかってくると思います。
あとは、ノドを守りながら、ひたすら裏声ハミングで横隔膜を高速で揺らすトレーニングをコツコツ続けて、スピードアップを図るだけです。
これで、2〜3ヶ月もすれば、まるでノドのちりめんビブラート並みに高速で、かつ、安定感のある横隔膜ビブラートを習得することができますぞ。
横隔膜をつかったちりめんビブラートのやり方まとめ:毎日コツコツが一番重要
というわけで、横隔膜をつかっての高速腹式ちりめんビブラートができるようになるための方法を解説してみました。
もう一度やり方をまとめると、
- メトロノームアプリを用意
- 裏声ハミングでビブラートのロングトーン練習
- テンポ90〜100ほどの3連符からはじめる
- まずはテンポ120(1秒に6回)を目指してコツコツ地味練
- 最終的にテンポ150ほどを目指す
という感じです。
マジで地味で泥臭いトレーニングですが、やったらやったぶんだけ成果も出やすいので、めげずにトライしてみてください。
最初は腹筋が筋肉痛になると思いますが、ダイエットだと思ってw
では、以上となります。
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