中国のオーディオメーカーFiiO(フィーオ)からスティック型USB-DACのフラッグシップモデルKA5が2023年4/21に発売。
Cirrus Logic(シーラスロジック)社のDACチップCS43198を左右独立デュアル構成で搭載。
価格は税込22,000円前後とのこと。
画像引用元:FiiO公式
主なスペックは以下↓
- Cirrus Logic製DACチップ「CS43198」をデュアル構成で採用
- USB Type-C入力で768kHz/32bit,DSD256の再生に対応
- 4.4mmバランス接続に対応、最大265mWの高出力を発揮
- 再生データを表示するOLEDディスプレイと便利な物理ボタンを搭載
- USB Audio Class 1.0/2.0両対応、様々な端末との接続性を確保
- コンパクトで頑丈なアルミニウム合金製の筐体を採用
- FiiO Controlアプリにより、詳細な設定が可能
一般的なイヤホンに使われている3.5mmシングルエンドだけではなく、4.4mmのバランス出力が手のひらサイズのUACで手軽に楽しめるので、イヤホン・ヘッドホン好きに人気が出そうです。
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KA5はアンプやクロックなどの細かいパーツ情報がないのが残念?
画像引用元:FiiO公式
ただ、気になる点としては、「アンプの種類やクロックに関する記載がない」ということでしょうか。
ライバルのiBassoはDACチップの機種名だけではなく、ヘッドホンアンプやクロックのメーカーなども詳細に開示しています。
ですが、FiiOはそこまで細かいパーツの情報を公開していない模様。
FiiOお得意のTHX AAAアンプとかを積んでます!だったら激アツなのですが…。そうではないとのこと。
最近のスティック型DACのトレンドとしては、
- DACチップ
- アンプチップ
- クロック
の3点のパーツを部品名までしっかりアピールして戦っているメーカー(iBassoやShanling)が人気です。
KA5は、FiiOのスティック型DACのフラッグシップモデルということで、お値段も強気の2万円台とのこと。
そこまで高価なDACなのに、内部パーツが不明なのは、消費者目線でもすこし不安になる要素でもありますね。
それにしても、最近はFiiO,iBasso,Shanling,Astell&Kernなど、スティク型USB-DACの新製品ラッシュですね〜。
FiiO KA5のライバルはiBassoのDC04PROか
さて、このKA5ですが、ワタクシが絶賛しているiBassoのDC04PROとかなり音質が近いのではないか?と推測しております。
というのも、両方シーラスロジック社のDACチップを採用しているためなんです。
iBasso DC04PRO⇒CS43131
FiiO FA5⇒CS43198
最近はCirrus Logic社のDACチップを搭載している製品が増えてますね。
AK(旭化成)の工場が火災が原因で供給不足だったということもあるのでしょうけど、シーラスロジックのDACチップの音質が評価されているトレンドでもあります。
Cirrus LogicのDACチップの音質はたしかにいい
個人的にUSB-DACはいろいろ10機種以上買い漁っているマニアですが、確かにCirrus Logicの音質は魅力的で好きです。
立体感があり、澄み切っていてクリアで抜けがよく、奥行きがあって没入感があるんですよね。
すごくわかりやすくいうと、音場が広くて解像度が高い。
AKチップ搭載のShanling UA3やESSチップ搭載のiBasso DC06なども所持していますが、やはりシーラスロジック機種に比べると、モヤがかかってクリアさが少し足りない印象を抱いてしまいます。
それくらい、Cirrus Logicの最近のDACチップはいいです。
では、
iBasso DC04PRO⇒CS43131
FiiO FA5⇒CS43198
この両者のチップのちがいはどんなところにあるのでしょうか?
Cirrus Logic社の公式サイトで調べてみました。
CS43131のスペック特徴
CS43131は、次世代の低電力オーディオDACと高再現性のヘッドフォン・アンプを組み合わせて、バッテリ寿命を縮めることなく、優れたシステムレベルのオーディオ性能を実現します。
チャネル出力 | 2 |
分解能(ビット) | 32 |
ダイナミック・レンジ(dB) | 130 |
THD+N (dB) | -115 |
サンプル・レート(kHz) | 384 |
アナログ電源(V) | 1.8 |
デジタル電源(V) | 1.8 |
消費電力(mW) | 6.25~40.2 |
出力レベル(Vrms) | 2 |
パッケージ | 40 QFN、 42 WLCSP |
CS43198のスペック特徴
CS43198は、バッテリ寿命を縮めることなく、より優れたシステムレベルのオーディオ性能を実現する、次世代の低電力オーディオDACです。
チャネル出力 | 2 |
分解能(ビット) | 32 |
ダイナミック・レンジ(dB) | 130 |
THD+N (dB) | -115 |
サンプル・レート(kHz) | 384 |
アナログ電源(V) | 1.8 |
デジタル電源(V) | 1.8 |
消費電力(mW) | 26 |
出力レベル(Vrms) | 2 |
パッケージ | 40 QFN、 42 WLCSP |
高分解能オーディオ形式のサポートを特長とする、特許取得済みの専用DSDプロセッサ
DirectStream Digital™(DSD)
DSD over PCM(DSD DoP)、最高DSD256
DSDオーディオ・ストリームとPCMオーディオ・ストリームの切り替えで、アナログ・オーディオ出力レベルをマッチング
CS43131とCS43198ではなにが違うのか?
基本性能はCS43131とCS43198でほとんど一緒のように見えます。
違う点としては以下。
という点でしょうか。
ダイナミックレンジなどのスペック上はほぼ一緒。
Apple MusicやAmazonミュージックなどのハイレゾサブスク音楽は基本的にPCM形式。
DSDは特殊な形式(SACDなどで採用)なので、DSDで聴いているというの人は相当少ないはず。
なので、CS43198だけにある「DSD over PCM」という特徴を活かせるシーンは限定的。
そう考えると、CS43131とCS43198の違いは
「ヘッドホンアンプがセットになっているか、いないか」
というようにも言えると思います。
まとめ:FiiO KA5はスペック詳細がイマイチ情報不足なので割高に感じる…
画像引用元:FiiO公式
はい、というわけで今回は
【新製品】FiiO KA5登場。ライバル機種iBasso DC04PROとのちがいは?
というテーマでござました。
FiiO KA5の音質の傾向としては、iBasso DC04PROとほぼほぼ近いと推測できます。
ただ、FiiO KA5のアンプやクロックなどの細かいパーツの情報はブラックボックス。
FiiOお得意のTHX AAAアンプとかを積んでます!だったら激アツだったんですが、
じっさいに音をじっくり試聴して、2万円超えの価値があるかどうかは各自が判断するしかなさそうですね…。
個人的には、DC04PROはめちゃくちゃおすすめです。
クロックもKDSという日本企業のフェムト秒クラスのものを積んでいますし、アンプも定評のあるricore製。
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