突然ですがあなたは普段のFXや株、仮想通貨などのトレードの時に統計学的・確率論的なアプローチをしていますか?
トレードというものは、マグレ当たりを狙うものでもなく、予想や予測・憶測に基づいて行うものでもありません。
「トレードで利益を出すということと、未来を予測するということにはなんの関係もない」
というのは、有名なトップトレーダーたちがよく口にする言葉です。
そう、未来を予測して上がるか下がるかを判断しようとするのではなく、「ここでエントリーしたら統計的に勝率が高い、もしくは勝率が低くても収益性が高い」ということがわかった上でのトレードでないといけないのです。
では、どうしたら具体的に統計的な優位性が割り出せるのでしょうか?
結論はカンタンで、「一貫したルールを明確に決めて、ひたすら回数をこなす」ということです。
人は実体のないものには確率論を当てはめにくい
知っている人もいると思いますが、
統計学の世界で「大数の法則」というものがあります。
これは何かと言うと、つまり「同じ条件で数をたくさんこなせばこなすほど、平均的な結果に落ち着く」というものです。
コイントスに例えるとわかりやすいのですが、コインにはウラとオモテしかありませんから、確率は2分の1ですよね?
(厳密にいうと何十万回に一回くらいは「コインが立つ」ということも起こるかもしれませんw)
で、とりあえずコイントスの結果が50%だとして、3回くらいやってみると、連続でオモテしか出なかった….なんていうことはよくある話ですよね。
ここだけで判断してしまうと、オモテが出る確率が100%ということになってしまいます。
コイントスというのは、コインという実体・実物が目の前にあるので、「まぁ偶然だろ、そんなの」と誰でもわかるのですが、トレードの様に実体が見えないものに関して、人はカンタンに「これは勝率100%の夢の手法だ〜〜!!よっしゃ〜」となってしまうのですw
で、4回目に資金をフル投入したタイミングで「ウラ」が出て、ギャ〜っと相場からビンタを食らうという結末になりがちです。
とりあえず最低でも200回はトレード試行回数をこなそう
コイントスなら実体があるので、誰でもすぐに「表が出る確率も裏が出る確率も、50%だよね」とわかるのですが、
FXのトレード手法が実際にプラスになるのかどうか?という目には見えない事象に関しては、どうしたら信頼できる確率が割り出せるのでしょうか?
それには明確な計算方法があります。
「確率分母x100回で90%の確率で誤差+ー20%以内の結果に収まる」
「確率分母x400回だと95%の確率で誤差+ー10%以内の結果に収まる」
というものです。
確率分母というのは、わかりやすく言い換えると「勝率」ということです。
FXなどのトレードの世界では、要するにエントリーした位置から上がるか下がるかが判断基準なので、50%とします。
1/2なので、確率分母は2です。
つまり、2X100=200回の試行回数を同じルール、同じ条件に基づいて売買していき、その結果がプラスになっていれば「今後の再現性が90%ほどの確率であるよ、ただし上下20%くらいは誤差が出るかもね」ということなのです。
さらに試行回数を増やして800回同じトレードを行い、その結果がプラスなら、今度は95%の確率で再現性があるということです。
こちらになると誤差は上下10%以内にもなるので、さらに信頼性が上がります。
僕のシステムの場合:ルールを固定できる自動売買
ここで僕のシステムを例に出してみましょう。
僕はFXのトレードに関しては、MT4というトレードツール上でEAという自動売買プログラムを組んでいます。
毎日24時間、トレードシステムが決められた売買ルールにしたがって売ったり買ったりして、だいたい1日あたり20〜30トレードくらいしてくれています。
1日20トレードだとして、10日で200トレード。
40日で800トレードの標本が取れることになります。
2ヶ月くらいで、僕のシステムがきちんと今後も安定して利益をもたらしてくれるものなのか、それとも長期的には損してしまうものなのかがわかるというわけです。
この記事を書いている時点では、まだその2ヶ月には達していないので、今ここで結果を書けないのが残念ですが、きちんと試行回数800回以上をこなし終えたら、追記したいと思います。
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検証の為にトレード回数は1日10回くらいは欲しいところだが…
あなたのトレードがもし、きちんとした売買ルールがあるとしても、トレード回数自体が少ないとそれだけ検証期間も長くなってしまい、精神的に辛い作業になりがちです。
1日に1回か2回くらいしか売買シグナルが発生しない様だと、200回トレードするまでに週末はマーケットが動いていないことも考えると、約一年ほどかかり、800回だと、、なんと4年以上の検証期間が必要になってしまいます….汗。
この期間中に当然「負けコイン」が連続で出続けてしまう様なドローダウン期間も発生するでしょう。
この時に「あ〜やっぱこの手法使えんわ〜や〜めた!」と思って違うルールに飛び乗ってしまう様なことが起こりやすいのが、トレード回数が少ない売買ルールの弱点です。
ですので、よほどメンタルが強靭で、一年以上暗闇の中を淡々を売買できる自信がある方以外は、できれば1日最低でも10トレードくらいはしていく方が現実的です。
とはいえ同じルールで10トレードしようとすると、どうしても短期的なトレードになってしまい、値幅も狭いし、どんどん稼ぎづらくなってしまうという別の問題も出てくるので、このあたりがFXトレードの難しさなのでしょうね。
昼間は仕事をして、夜にトレードという人が大半でしょうから、時間の面でも値幅の面でも、なかなか一貫したトレードの数を毎日ベースでこなしていくというのは大きなハードルとなっています。
自前の自動売買システムを持つのはすごくオススメ
その点、自動売買のプログラムがあれば、システムが24時間稼働してくれるので、そんなハードルはテクノロジーの恩恵を受けて乗り越えることができます。
自動売買プログラムは複雑でムリ…という人は、せめて売買シグナルをスマホやPCにメールなどで通知してくれる様なサービスを利用してみましょう。
そうすればずっとチャート画面とにらめっこしなくて済みますしね。
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まとめ:統計と確率を駆使して自分にぴったりの手法を見つけよう
今回はちょっとオカタイ確率論・統計学の話をしてみました。
でも実際にはとてもカンタンで、要するに最低200回くらいは同じ条件でトレードしてみろや〜という話です。
それで収益がプラスになる様なら、やっと信用できるトレード手法が1つ見つかったかも…ということですし、さらに数をこなして400回、800回と続けていき、トータルでプラスなら…..
「おめでとう!あなたにぴったりの手法を見つけたね!」
ということになりますな。
もちろんマーケットは日々形を変えますので、800回試行回数を重ねたからといって今後永遠にその結果が安定するという話ではなく、毎日毎日試行回数を積み上げて、情報を新鮮に保ちながら運営していく必要があります。
その間に新しい手法なども開発していき、複数のルールでも200回以上検証を行えれば、よりトレードの結果は安定して、収益も安定するでしょう。
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ポーカーなどの期待値の話も為になるし、これほんといい本ですよ〜↓
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