『サイコロジー・オブ・マネー――一生お金に困らない「富」のマインドセット』
という本を読みました。
非常に示唆に富んだ内容で、面白かったです。
金融x心理学という感じの本ですが、
世の中の真理、成功法則なども内包している内容なので、自己啓発本としてもとっても参考になります。
マネー版のファクトフルネスっぽい内容ですね。
みんなそう思い込んでるけど、事実はそうだったのか!
みたいな目からウロコな真実をわかりやすく語ってくれます。
具体的な投資手法(インデックスファンドに長期投資のメリット)なども書かれていますが、サイコロジー(心理学)というだけのことはあり、
「お金との付き合い方」
について、簡潔に、わかりやすく、それでいて深い洞察をたっぷり受け取ることができる良書です。
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サイコロジー・オブ・マネーの書評
とくにビビッときたのが、
第4章:複利の魔法
と
第6章:テールイベントの絶大な力
のパート。
複利のチカラの例えとして、
地球の氷河期はどうやって起こったのか?
というたとえ話が出てくるのですが、これがかなり目からウロコでした。
一番感動した部分を引用します↓
この氷河期が起こる仕組みから私たちが学べる最大の教訓は、「途方もない結果を生み出すのに、途方もない力は必要ない」ということだ。
何かが複利的に作用すればーーつまりわずかな成長が将来の成長のための燃料となればーー小さな変化が、常識的には考えられないほど驚異的な変化をもたらすことがあるという事実だ。
引用元:サイコロジーオブマネー
長期投資のメリットである「時間を味方につけた複利運用のパワー」についてのたとえ話なのですが、
これが強烈に響きましたね。
複利の魔法:氷河期が起きた科学的な理由
あなたは、氷河期ってどうやって起きたかご存知ですか?
ぼくは正直、この本を読むまで
「なんかでっかい隕石とかが落ちてきて、それで灰が空を覆って、真っ暗になって、それで気温が下がって氷河期になっちゃったんでしょ?それで恐竜が絶滅した的なヤツ」
と思っていました。
ですが、最新の研究だと、そういう巨大隕石が原因ではなかったということがわかっているのだそう。
つまり、地球の表面が厚い氷で覆われる原因は、凍えるように寒い冬ではなく、わずかに寒い冬が訪れることだったのである。
引用元:サイコロジーオブマネー
地球の氷河期が何度も、サイクル的に起きている理由は、
①ちょっと寒い年がある
②雪が少し溶け残る
③それが原因で翌年も気温がちょっと下がる
④また雪が溶け残る
以下リピート
みたいな感じで、ちょっとした変化が原因だったそうな。
冷夏が続き、雪が溶け残る範囲が徐々に拡大していって、それにともなって地球の表面に氷が多くなり、気温が上がりにくくなり、最終的に地表の大半が数キロの厚さに及ぶ氷に覆われる「氷河期」になってしまう…。
こういうプロセスだったということが最新の科学の結論だということです。
これ、めちゃくちゃ示唆に富んだ素晴らしい例えじゃないですかね?
ぼく的は正直、このパートの氷河期のたとえ話を知れただけでも、サイコロジー・オブ・マネーを読んだ価値は十二分にありました。
大きな変化を起こすためには、大きなエネルギーは必ずしも必要ない。
少しずつ、わずかな変化でも、コツコツ続けると途方もない結果をもたらす。
複利の説明として、この氷河期のたとえよりも上手なものに今まで出会ったことがないです。
この考え方は、お金だけではなくて、人生のあらゆる側面で役に立つなと。
筋トレなどもコツコツいかに続けるかが勝負ですし、ビジネスや人間関係、スキル習得などもそうです。
なにか努力すること全般に使える、大変思慮深い言葉だと思いました。
挑戦していて、辛くなったり、迷ったりしたら、
氷河期を思いだせ!コツコツ積み上げて複利のチカラを利用するのだ…
と思い出したいですね。
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テールイベントと画商のビジネスモデル・インデックスファンドの共通点
第6章のテールイベントについての話も面白いものが多かったです。
あのディズニーでさえ、ヒットして有名になるまでには400本もの売れないアニメを制作していた。白雪姫がヒットしたことで全てが変わった。
という事実なども、興味深いです。
ベンチャーキャピタルが投資するのも、画商のビジネスモデルも、インデックスファンドも、すべて「テールイベントの爆発力」に支えられている。
1%以下のテールイベント。
これが、インデックスファンドの大部分を牽引している。
テールイベントとは、月並みな言葉でいうと「大当たり」という感じでしょうか。
画商のビジネスモデルは、選ぶ能力はさほど重要ではなく、「いかに多くの画家の作品をたくさん所有できるか?」で決まるという話も面白かったです。
その中で、時が経つと、ピカソやマティスのような「大当たり」が現れて、結果的に収益がプラスになるというビジネスモデルなんだそうな。
インデックスファンド投資だと、アップルやアマゾンが「テールイベント」としてわかりやすいですが、
その中でも、
Apple社の中でのテールイベントがiPhoneであり、Amazonはプライム(サブスクビジネス)とAWS。
という感じで、会社の中にも、またテールイベントがある。
さらに、テールイベントは人事などの細かい部分など、至る所にフラクタル的に発生している…
という考え方も面白かったですね。
テールイベントはいかなる階層にも出現する
インデックスファンドの中にテールイベント的な企業があり、
その企業のプロダクトの中にはiPhoneのようなテールイベントがあり、
人事に関しても、天才的な人物の採用自体がテールイベントである…。
そして、その個人の中にもまた、テールイベントが存在する…。
という感じで、マトリョーシカのようにテールイベントの階層構造になっていること。
「2割の部分が8割の部分を支えている」というパレートの法則に通じる世の中の真理なのかも知れませんね。
ウィルスミスにビンタされたクリスロック
ただ、最近ウィルスミスにビンタされたクリスロックがテールイベントのいい見本として紹介されているのは、かなり皮肉だなと思いましたw
クリスロックは、膨大なステージをこなし、ウケるネタを試す試行回数がとても多い芸人だそうです。
試行回数が多いので、その分爆発的なヒットを飛ばせるテールイベントの力をうまく利用している…と本の中で紹介されていますが…。。
残念ながら、1発のネタが「負のテールイベント」になってしまいましたよねw
テールイベントは良い意味で発生すれば、爆発的なリターンを得られるが、悪い意味でもまた強烈なんだということがクリスロックの失敗から学べますね…。
※世界的に有名になったという観点では、クリスロック本人的には「オイシイテールイベント」だったのかも知れませんけど。
まとめ:Kindleでもオーディオブックでもおすすめ
はい、というわけで今回は
『サイコロジー・オブ・マネー――一生お金に困らない「富」のマインドセット』
を読んでみた書評・感想を語ってみました。
他にもたくさん読みどころが満載。
翻訳もかなり自然だし、全体的に「知的エッセイ」という感じ。
あまり金融金融していないので、サクサク読みやすいです。
お金やビジネスの成功法則について全体像を把握できる良書です。
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