先日買ったヤマハのクラシックギター(正確にはフラメンコギター)ですが、若干、3弦〜1弦あたりの高音弦のこもり感・つまり感が気になっていました。
ですので、さっそく、音の要である「サドル」を交換しました。
ヤマハ純正のプラスチックサドルから、人口象牙のTUSQ(タスク)へとチェンジ。
結果的に、音量もかなりアップし、高音弦も非常にきらびやかな音色に変化させることができました。
高音弦だけではなくて、6弦〜4弦あたりの低音弦の響きも、よりくっきりハッキリとして、倍音成分も増して、とてもリッチな音色に変わり、大満足でございます。
もしも今、あなたがぼくと同じようにクラシックギターの高音弦のこもり感に悩んでいるようでしたら、TUSQという人口象牙のサドルに変えることは、とってもおすすめですよ。
値段もたったの千円くらいですし。
人口象牙?タスク?なにそれ?と思った方へ
「タスク?なにそれ?」
と思う方もたくさんいるかもしれません。
たしかに、あまり効き馴染みのない素材ですよね…汗。
クラシックギターでは、サドルのグレードアップとして「牛骨」が定番ですが、最近はジワジワと、最新の技術をつかった人口象牙を選択するプレイヤーが増えています。
TUSQ(タスク)とは、カナダのGRAPHTECHというメーカーが独自に開発した新素材のこと。
クラシックギター界隈ではまだあまり知られていませんが、GIBSONやテイラーなどのフォークギターメーカーでは、カスタムショップモデルでも純正サドルやナットとして、タスクが選ばれているほど、有名です。
エレキギターの世界でも、トップルシアーたちがこぞって採用しています。
参考:GRAPHTECH公式
タスクサドルの音の特徴:高音弦のこもり感が圧倒的に解消される!
GRAPHTECH社のホームページでも説明されていますが、人口象牙の最大のメリットは、以下の3点。
- 牛骨に比べて、倍音成分が最大100%アップ
- サスティーンが16%アップ
- 牛骨に比べて、素材が均一なので、音にムラが出ない
ということ。
倍音が100%アップ、つまり「倍」になるというのですから、これだけでも、ものすごいということがわかりますよね…。
そして、サスティーン(音の伸び)もアップします。
この2点については、ホントに、サドルを載せ替えた瞬間にわかるレベルで、全然変わりますよ。
倍音成分が倍になるほどですから、たしかにはっきりと違いがわかるほど、トップ板がビリビリと鳴ってくれますし、トップだけではなくて、サイドやバックの木の振動も、かなり多くなります。
自分で弾いていて、
「このギターって、こんなに鳴るヤツだったのかい…汗」
と、びっくりしてしまうほど、タスクを使えば、音の響きを大幅にアップさせることができるのです。
ですので、もしも今のあなたが、
「う〜ん…私のギター、まぁまぁ気に入ってはいるんだけど…もう一歩、物足りないなぁ…」
「もっと打てば響くような、レスポンスの良いギターに鳴ってくれないかなぁ…」
「3弦〜1弦あたりのナイロン弦が、こもっちゃってるなぁ…」
と、どれか一つでも感じるようでしたら、ぜひTUSQサドルに載せ替えてみることを、強くおすすめしますぞ!
加工済みなので、厚みと高さを紙やすりで調節するだけで、カンタンに取り付け可能ですし。
サドルの削り方:サンドペーパーの80番あたりを使えば30分くらいでできる
サドル交換の仕方ですが、思ったよりも簡単です。
用意するものは、
「紙ヤスリ」
だけでOK。
ホームセンターなどで「80番」もしくは「100番」くらいの粗さの紙ヤスリ(サンドペーパー)を買っておきましょう。
50円くらいで買えます。
よりキレイに仕上げたいなら、150番などの細かいペーパーも入っているセットもおすすめ↓
参考:サンドペーパー/紙やすりの使い方!種類や番手の選び方も解説。
サドルの削り方自体は、とても簡単&シンプルです。
ゴリゴリと、ひたすら削っていくだけ笑。
コツとしては、
- 水平に削る
という、一点のみ。
GRAPHTECのクラシックギター用のサドルは、厚みも高さも、大きめに作られているので、まずは厚みから調節していきます。
削りすぎると、スカスカになってしまい、弦の振動を100%きちんとトップ板に伝えることができなくなってしまいますので、慎重に行っていってください。
サドルの厚みを調節できたら、続いては、「高さの調節」です。
もともとついていた純正のサドルと比較しながら、お好みの高さになるまで削っていきましょう。
くれぐれも、斜めになってしまわないように、細心の注意をはらって、ゆっくり削っていってください。
軽めのチカラで5往復くらいするだけでも、じわじわと削れていきます。
ですので、マメに水平の机などに置いてみて、
「サドルが垂直に自立するか」
をチェックしてください。
純正のサドルと同じ高さまで削れて、きちんと断面が水平になっているようならOKです。
最終的なチェック方法として、机の上にサドルを置いてみて、サドルの断面を以下の写真のように覗き込んでみてください。
このように、サドルの断面すべてがビッタリと机についていて、スキマができないように削れたら、完成です。
作業時間としては、チカラの弱い人でも30分もかからないでしょう。
【サドルが正しく削れたかのチェックリスト】
- サドルがまっすぐ水平に自立するか?
- 断面にスカスカの空間がないか?
- 十分な厚みは残してあるか?
クラシックギター用TUSQサドルについてのまとめ
タスクのサドルに交換した直後は、トップやその他のボディが、あまりの振動の大きさに慣れておらずに、一時的に、
たしかに音量自体はアップしたけど、「ボワン…」とした音になった?
と感じることもあるかもしれません。
倍音が多すぎて、若干、楽器がびっくりしているようなイメージです。
ですが、2日くらい弾き込んでいると、みるみるうちに、音が整い、クリアになっていきますよ。
これはホントに不思議なのですが、きっと木が振動のレベル感に順応しているのでしょう。
音量がしっかりと大きくて、かつ、一音一音の分離感の良い、明瞭なサウンドをもたらしてくれるようになります。
おまけ:人口象牙にはデメリットもある?
その一方で、2〜3日弾き込んでみても、
「タスクならではのシャープすぎる音質が、どうしても好きになれないかも…」
と、感じる方も、いるかもしれません。
たしかに、タスクは「倍音の豊かさ」「音のクリアーさ・明瞭さ」という点では、素晴らしいのですが、
- プラスチックサドル特有の甘いトーン
- 牛骨特有の無骨なトーン
とは、違いますので、人によっては、
「う〜ん…。正直、今までのサドルの音の方が、なんだかんだ言ってよかったかもなぁ…汗」
と、思ってしまうこともあるでしょう。
その場合は、もちろん、以前のサドルに戻すこともカンタンですので、安心してください。
クラシックギター用のタスクサドルは、定価でも1100円。
アマゾンなどのショップで買えば、900円〜千円前後で入手できます。
ですので、最悪どうしても気に入らなかった場合でも、そこまでの出費ではないですよね。
牛骨サドルに関してはもっと安く買えたりもしますので、
サドルは、気軽に色々な素材を試してみることをおすすめします。
ワンセットの弦よりも安いのに、ハマれば非常に大きな音質改善効果があるのですから、試さないと損ですよ。
ぼくが買った、一般的なクラシックギター用のモデル↓
普通のクラシックギターでしたら、この「PQ-9208-00」でOKだと思います。
「PQ-9210-00」は、弦高が高めのタイプとなっております↓
ちなみに、ぼくが買ったギターは、ヤマハのフラメンコギターのCG182SFというモデル。
4万円くらいなのに、驚くほど音質もよくて、プロギタリストからも絶賛されている隠れた逸品です。
⇒ヤマハのフラメンコギターCG182SFの鳴りが非常に素晴らしい件
アマゾンプライム会員(お試し1ヶ月無料)になれば、お急ぎ便で届けてくれますし、プライムミュージックもついてるので、邦楽洋楽も聴き放題。映画も見放題。
この機会にぜひお試しください〜。
月換算でたったの408円というコーヒー1杯分の安さです。
というか1ヶ月無料ですしね。
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