どうも、ポータブルDAC好きブロガーのてつです。
iBasso DC03PROを買ってから、毎日Apple Musicでハイレゾ音楽を楽しんでおります。
前回の記事では開封レビューをして外見デザインなどをたっぷり紹介しました。

今回はいよいよDC03PROの音質について語っていきたいと思います!
※比較対象はShanlingUA3,iBassoDC06,DC05など同価格帯のスティック型USB-DAC
DC03PRO:音質の特徴まとめ
まずは結論まとめ↓
【DC03PROの音質メリット】
・左右の広がり感・音場の広さが秀逸
・音の立ち上がりスピードが速い
・息づかい・各楽器のエッジ・輪郭・リバーブの残響音などがしっかりと聴き取れる
・帯域のクセを感じさせないフラットさ
・解像度・分離感も優秀。非常にクリアで澄んだ音
【DC03PROの音質で気になる点】
・ほぼなし。かなりレベルが高い
・良くも悪くも音がかなりシャキシャキしているので、電子楽器が多用されている昨今のPOPSを聴くと、かなりデジタル臭く感じる
という感想を抱きました。
おいおい…上位クラスのスティック型DACと比較しても全然勝ってるぞ…
ShanlingUA3,iBassoDC06,DC05などと比較しても、一番いいと思えるくらい素晴らしいDACです。
DC06のバランス接続の音質と比較しても、
解像度はDC03PROの方がいいんじゃないかと思うほど。
ちょっと驚異的なクリアさです。
【DC05とDC03PROを比較してみた感想】
DC03PROの方が低音の再現性・分離感・定位がよい。
DC05は少し低音が弱く、中音域にも独特のクセがある。
【DC06とDC03PROを比較してみた感想】
DC03PROの方が低音がタイトで輪郭がぼやけない。
DC06は低音が少しボワッとしていてレスポンスももっさり気味。
DC06で感じたジャキっとした荒さがDC03PROではよりシルキーなマイルドさに。
ぼくはiBasso AudioのUSB-DACシリーズがかなり好きで、今までに
DC01,DC02,DC03,DC05,DC06と購入してきておりますが、
最新作であるDC03PROの音質は、完全に頭一つ抜けてきました。
おすすめのアプリセッティング:GainはMediumかLowがバランスよし
DC03PROはバランス非対応で3.5mmシングルエンド一発のみなので、ポータブルオーディオ好き界隈ではあまり話題に上がっていないのがもったいないくらいの好機種。

※今回の記事はエイジング(バーンイン)10時間ほど経過時点でのレビューです。
iBassoのAndroidアプリ上でゲインのセッティングをHighからMediumに変更しております。
ゲインがHighのままだと少し音質が濁るような気がしてます。
よほどのハイインピーダンス(600Ω)などのヘッドホンでない限り、ゲイン設定はMediumかLowに落とすのがおすすめ。
ぼくはゼンハイザーHD6XX(300Ω)をメインで使っていますが、それでも十分音量はデカいです。
デジタルフィルタはデフォルトの「Short delay Fast Roll」セッティングのままです。
シーラスロジックのマスターHi-FiチップCS43131と日本企業KDSのクロックのコンビネーションがシンプルかつ強い
DACチップにシーラスロジックのマスターHi-FiチップCS43131を左右独立で2基デュアル搭載しており、
さらにクロックには日本のKDS製フェムトクロックというコンビネーション。

引用元:MUSIN公式
CS43131はDACとヘッドホンアンプが一体型になって開発されているチップ。
なので、iBassoの味付けというよりは、シーラスロジックのCS43131の音の世界を極限までシンプルに追い込んだというコンセプト。
CS43131はDACとアンプ部分がワンチップで設計されているので、回路のロスや音のクセが生じにくいメリットがあります。
先代のDC03もなかなか面白い音でしたが、今回のDC03PROでKDS製フェムトクロック搭載となり、さらなるクリアで透き通ったサウンドに進化したな…という印象。

レビュー環境
ワタクシの視聴環境↓
・MacBook Air M1 ・iPhone12・アンドロイドスマホ
・Apple Musicハイレゾ
ヘッドホン:ゼンハイザーHD6XX・AKG K701
よく聴く音楽ジャンル:洋楽邦楽ポップスロック全般・スムースジャズ・ジャズ・AOR・クラシック少々
DC03PROの音質レビュー
高音域の特徴:繊細で敏感
かなり敏感・繊細ですね。
シャキッとしてシンバルの響き感をしっかりと感じることができます。
でも刺さるような不自然な高音域ではなく、質のよい上品な高音。
アンサンブルの中にも埋もれずにスコーンと抜けてくれる高音。
あまりにもキレイに高音域が伸びてくれるので、よい意味で「ハイファイなデジタルサウンド」
人によっては、高音域がシャリシャリと細かいディテールまで出まくるので、聴き疲れするかもです。
ぼくはシンバルなどの金物好きなので、むしろこの傾向は大歓迎。
声の「サ行」や息遣いも刺さらないけど、いちいちはっきり聴き取れる。
今まで聞いてきた音源がかなり新鮮に聞こえて楽しい。
リバーブの残響音なども、シュワシュワと細かい粒立ちで手に取るようにわかる。
中音域の特徴:粗探しがむずかしいレベルで無色透明
出過ぎず、でもしっかり。
クセをほとんど感じさせない優秀なフラット傾向。
DC05は中音域に独特のクセがあって、少し強調されているような印象でしたが、DC03PROはマジでフラット。
声周りの解像度や分離感も優秀。
クリスタルのように澄んでいて、無色透明。
しっかり密度もあり、聞き込もうと思えばかなり細かい息遣いなどを追える。
ギターやピアノのリアリティも良好。
ただ、高音域のエッジ感がかなり目立つので、中音域も高音に引っ張られていちいち音がシャリシャリした鳴り方に感じる場面も。
これは録音ソースの問題の気もする。
DC03PROの解像度がかなり高いので、一般的なポップスはどうしてもシャリシャリして聞こえる楽曲が多くなる。
低音域の特徴:
低音はズ〜ン…と沈み込むほど、かなり深いとことまでしっかり出ている。
DC05に比べて明らかに低音の量や解像度は上がっている。
DC06やShanling UA3で感じたレスポンスの若干のモタつき感も解消されている。
ベースやバスドラムのディテール・輪郭まではっきり聞き取れて分離している。
かといって、低音が中〜高音をかぶせてジャマするということはなく、独立して下の空間で鳴ってくれる。
低音の分離感がここまで優秀なDACははじめて。
「低音の透明感」という世界があることに気付かされた。
解像度
解像度はかなり高め。
繰り返しになるが、iBassoのDCシリーズで一番。
聴き疲れするレベルで、これでもかというほど、今まで何百回と聞いてきたお気に入りの音源から、未発見だったいろいろな音が細部まで聞こえまくる。

「こんな細かいアレンジが施されてたのかー」
と、純粋に音楽の勉強になる。
さすが日本メーカーKDSのフェムトクロック搭載機種。
クリアで澄んだ瑞々しいサウンドのおかげで、淀みない解像度を提供してくれる。
分離感・音場
分離感や音場も下手なバランス接続よりも優秀なほど立体的で広い。
シーラスロジックのDACチップCS43131は、独特のヌルッとしたクリアさと立体的で没入感のあるサウンドステージが魅力。
先代のDC03でもその傾向はあったが、DC03PROでフェムトクロック仕様になったことで、さらに磨きがかかり、クリアで没入感の高い臨場感を再現している。
まるでステージで一緒に演奏しているような錯覚を覚えるほど、各楽器の立ち位置・定位がわかりやすい。
音質的なデメリット:音源の粗が出まくり
DC03PROの音質的なデメリットを探すのはかなり難しい。
録音にこだわった腕利きのミュージシャンが集うスムースジャズなどを聞くと、そのレベルの高さにあらためてニンマリしてしまう。
デメリットというか、これはメリットでもあるのだが、
デジタルくさい音源はとことんシャリシャリして聞こえてしまう
という点だろうか。
ジャズなどのアナログ好録音では抜群に生々しい音を聞かせてくれるのだが、
チープなDTM音源は一発でバレてしまう。
なので、
・高性能すぎるので聴く音源を選ぶ
・一般的なポップス音源はほとんど高音過多でシャリシャリ鳴りすぎる
という点が逆にデメリットになり得る。
まとめ:正直DC06よりもいい。DC03PROはアンバランス一発で回路もシンプルが故に、驚異的なレスポンスの良さが魅力
はい。というわけで今回は
iBasso DC03PRO音質レビュー【DC05やDC06と比較して買いか!?】
というテーマでお届けしました。
シンプルが故に、ムダの削ぎ落とされたHi-Fiなサウンド。
ぶっちゃけ上位機種のDC06やShanling UA3よりも帯域のクセも少なくてレスポンスもよく、高解像度・高音質。
ブラインドテストしたらバランス接続!?と思ってしまうほど左右のセパレートもよい。
アンプ一体型DACチップのメリットを活かした好機種です。
このサウンドが1万円以下で買える。超おすすめ。
シングルエンド一発で「PRO」の名を冠したDACを投入してくるあたり、iBassoの開発者の理念を感じられて好きですね〜。
文句なしで星5つ。
シンプルは強い。
開封レビュー↓

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