どうも、ヘッドホンオタブロガーのてつです。
先日のATH-DSR9BTに加えて、ATH-DSR7BTも買ってしまいました…。
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こちらもDSR9BTと同じように、完全フルデジタル駆動のヘッドホンですね。
DSR9BTよりも価格がだいぶ安いので、弟分という感じの立ち位置。
今回、フルデジタルの2機種を購入してじっくり比較してみて、2機種の狙いの違いというものがかなりハッキリと浮き彫りになってきました。
じっくりレビューしてみたいと思います!
兄貴分のATH-DSR9BTのいいとこ取りをしつつ、万人ウケしそうなATH-DSR7BT
DSR9BTが例えるなら
「全ての音源を丸裸にする分解能・解像度・高音の伸び。完全なモニター仕様」
とすれば、
DSR7BTの方は、
「分解能はしっかりと保ちながらも、高音がしっとりとしていてデッドでタイトな音質。ふだん使いにちょうどいい逸品」
という感じですね。
DSR7BTの音の重心は、割と低め。
最近流行りの低音重視のヘッドホンの音質に近いと言えば近いですが、かといって、下品に低音をボンボコ出す…という訳では当然ありません。
全体のバランス感はしっかりと保ちつつ、音楽を楽しく聴けるように若干、低音側に重みづけしている…という音作りです。
兄貴分のDSR9BTの場合、解像度・分解能力が異常に高すぎるということもあって、音源によってはアラが見えまくってしまうんですよね…。
DSR9BTはドラムの録音状態やリバーブのかけ過ぎなど、手に取るようにわかってしまうので、それ相応の音源を用意しないと、聴いていて疲れるのですが、
DSR7BTは、良い意味で超高音域があまり出ないので、ボーカルの録音状態があまりよくない音源に多い「カサカサ感」などは感じなくて済みます。
うまくマスキングしてくれる感じ。
DSR9BTは、かなりというかガチンコのモニターヘッドホンですが、DSR7BTは、デジタル駆動の恩恵をしっかりと受けているので分解能は高いけど、音楽を楽しく聞かせてくれるカジュアルなヘッドホンですね。
これはズルイ。
いいとこ取りです。
さすが弟分w
兄のいいところを盗みつつ、ちゃっかり一般受けするニクイヤツ。
この辺の棲み分けがしっかりとされているのは、さすがオーディオテクニカです。
ボイスコイルを減らして聴きやすさとコスパを両立
具体的なDSR9BTとDSR7BTのちがいは、ボイスコイルの数だということらしいですね。
DSRシリーズは、D/Aコンバーター自体を排除して、デジタル信号のまま振動板を揺らして音を出す…という革新的な「Dnote」という技術が使われているのですが、
その際に、異なる帯域ごとに振動するボイスコイルをいくつかに分けて配置しているらしいのです。
画像引用元:Trigence公式
DSR9BTは、そのボイスコイルの数がDSR7BTよりも多いので、全ての帯域で忠実な音源再生が可能。
一方でDSR7BTはボイスコイルを減らしてコストダウンを図りつつ、気軽に音楽を聴く際にちょうどいい「オイシイ帯域」に焦点を当てているようです。
その結果、お値段は安く、聴きやすい。
かつ、フルデジタル駆動のDnote特有のクリアさ、正確さ、分解能を備えているという、かなりコスパのよくバランスの良い名機に仕上がっているのです。
この分解能で1万5千円は控えめに言っても超お得
アマゾンなどでは新品で2万5千円ほど。
中古なら、1万5千円ほどで買えます。
ヤフオクを見ていたら、たまたまお得な価格で落札できたので、かなりラッキーでした。
ぼくは今までに結構な数のモニターヘッドホンを収集してきましたが、DSR7BTは、控えめに言っても1万5千円の出音ではないですね。
高級DAPや有線ケーブルにお金をかけるより、シンプルにDSR7BTを買う方が投資対効果が10倍くらい高いですぞ。
真実はいつもシンプルです。
レコードなどの完全アナログ環境で聴いているのならまだしも、デジタル音源のソースを使っているなら、デジタル駆動のヘッドホンがもっとも効率が良くてロスが少ないのです。
こんなシンプルで洗練されたヘッドホンを開発してくれたオーディオテクニカは神ですね。
で、DSR9BTとDSR7BTどっちがおすすめ?
このオーディオテクニカのフルデジタルヘッドホンのシリーズを両方買ってレビューしている人はネット上でもほとんんど見かけないので、
「DSR9BTとDSR7BT、どっちか一つだけしか買えないとしたら、どっちにする方がいい?」
という問いに答えてみたいと思います。
う〜ん…汗。
なかなかむずかしい質問ですねぇ…。
クリアで解像度の高いヘッドホンを探している人なら、どちらを買っても基本的には満足できると思うのですが、
ぼくの場合はやっぱりDSR9BTの方ですかね…。
音楽制作などもしているので、やはりDSR9BTの圧倒的な帯域の広さや、その辺の有名モニターヘッドホンが霞んで見えるくらいのシビアな表現力は、何物にもかえがたいんですよね…。
両者の音の傾向
有線のモニターヘッドホンに例えると、音の傾向としては、DSR9BTは、ソニーのスタジオ定番のMDR900STに似てるかも。
MDR900STを聴いたことがある人はわかると思いますが、かなりクリアでハキハキしていますよね。
でも、特有のカサカサ感もあったりもする。
一方で、DSR7BTは、同じオーディオテクニカのATH-M50xに音の傾向が似ているな…と感じました。
ATH-M50xも定番のモニターヘッドホンですが、ちょっと重心が低めですよね。
ドラムなども、残響音をガンガン表現するというよりは、アタック感や深みなどの表現が上手です。
ただ、音場空間の表現という意味では、ちょっと物足りない感もあります。
DSR7BTも、かなりタイト&デッドに分離感のある表現をしてくれるのですが、空気感の表現がちょっと苦手という意味では、ATH-M50x的な音の系統だなと思いました。
なので、
空気感を重視する人や、聴き疲れしてもいいからガチンコで高性能なモニターヘッドホンが欲しい!という人にはDSR9BTをおすすめします。
一方で、
解像度の高くてクリアなサウンドのヘッドホンは欲しいけど、どんな音楽ジャンルでもそこそこ楽しくカジュアルに聴けるちょうどいいヘッドホンが欲しい!という人には、DSR7BTを、ということになります。
Bluetooth接続ならぜひAptX-HD対応端末で
ビックカメラやヨドバシで試聴できるので、ぜひDSR9BTもDSR7BTも、一度聴いてみると面白いですよ〜。
ただ、店頭だと、このシリーズの本領を発揮する「USB接続」ができないので、そこが残念。
そう、このDSRシリーズは、フルデジタルヘッドホンなので、一般的なイヤホンジャックのような有線ケーブルはつなげません…。
その代わりに、パソコンやスマホなどからUSB接続で、振動板までダイレクトに音源のピュアなデジタルデータをUSB経由で送りこめるのです。
このUSBモードが、DSR9BTもDSR7BTの真価を発揮する瞬間。
異次元のクリアなサウンドに、腰を抜かすと思いますよ。
Bluetoothで接続する場合は、ぜひAptX-HDコーデックに対応しているスマホやDAPを持参しましょう。
AptX-HD接続でも、このDSRシリーズのクリアさや分解能を体感するには十分すぎるサウンドを感じることができるでしょう。
欠点は謎のUSB端子形状
一つだけ欠点をあげるとしたら、USBプラグを挿す場所の形状がすごく特殊なので、他のUSBケーブル(Micro-Bタイプ)を挿せない…ということですね…涙。
DSR9BTも7BTも、USB端子部分が、やけに細い作りになっているんですよね…。
この細さのせいで、オーテクの専用のUSBケーブル(公式サイトによると2200円もするw)しかきちんと挿さらないという、謎のケチな仕様。
これについては、アマゾンのレビューなどでもみなさん酷評していますね。
「せっかく音はいいのに、このUSB端子のせいで台無しだ!」
という意見は、まぁごもっともですね。
ただ、既存のUSBケーブルも、周りの樹脂をヤスリなどで細く削れば入るはずなので、近々チャレンジしてみるつもりです。
専用のUSBケーブルは、作りはしっかりしているのですが、逆にしっかりしすぎていて、取り回しが悪いんですよね…。
Ankerなどの高品質で取り回しのよいケーブルを買って、ヤスリでゴリゴリ削って細くして、DSRヘッドホン専用のケーブルを作ろうかなと。
まとめ:デジタルヘッドホンという新ジャンルをいますぐ体感せよ!
はい、というわけで、今回はオーディオテクニカから出ている、知る人ぞ知る超マニアックな「フルデジタル駆動ヘッドホンATH-DSR7BT」のレビューでした。
このDSRシリーズを気に入りすぎてDSR9とDSR7の両方を買ったヤツもそうそういないでしょうw
存在自体がかなりマニアックですしね。
ぼくも電気屋さんで何気なく手に取るまでは、全然知りませんでしたし。
ただ、出音はマジで驚異的なので、ヘッドホンオタは絶対に知っておく名シリーズですぞ!
「既存の有線や一般的なBluetoothイヤホン・ヘッドホンの音質にどうしても満足できない!なんか違うんだよな〜…。もっとこう…クリアなサウンドを…。。」
という方は、フルデジタルの世界に足を踏み入れると、パッと視界が開けること必須です。
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