どうも、ヘッドホンマニアブロガーのてつです。
AKGのヘッドホンが好きで、色々買い漁っております。
そこで気になるのが、
K712PROやK701,K702,K612PROで使われているドライバー(振動板)って、同じなの?ちがうの?
という点。
見る限り、半透明の少し緑がかった乳白色の振動板で、全部同じに見えるんですよね。
モヤっとするので、
AKGの公式サイトでサービスマニュアルをダウンロードして、型番を比較してみました。
結論からいうと、
全部一緒みたいです…ね。おそらく。
AKGのK700番台と600番台、心臓部であるドライバーが全部一緒説が濃厚
ネット上にはAKGのサービスマン向けのサービスマニュアルというものがPDFで出回っているのですが、
それを確認すると、すべての部品のパーツ名を知ることができます。
で、判明したのが、
K700シリーズはおろか、K612Proに関しても、700番台と同じドライバーカプセルが使われている!
という事実。
どのモデルも「Capsule DKK45」という型番のドライバーを積んでおります。
【K701のサービスマニュアル】
【K702のサービスマニュアル】
【K712PROおよびK612PROのサービスマニュアル】
PROシリーズは左右の周波数特性のマッチングされているかも
DKK45以降の細かい型番を見ると、
K701:2400Z00070
K702:2400Z00080
K712PRO:2400Z00060と2400Z00090
K612PRO:2400Z00060と2400Z00090
ということで、末尾に若干の違いはあります。
最上位モデルのK712PROと下位モデルのK612PROでまったく同じ型番なのがちょっと衝撃的ですね。
おそらくこの末尾は、単に生産管理のための番号であり、モノとしては同じなのではないかなと。
K712PROとK612PROでは、左右で別の型番が振られているので、左右の周波数特性のマッチングをおこなっている可能性はあります。
だから「PRO」と名付けているのかもしれませんね。
そう考えると、K612PROのコスパはめちゃくちゃいいということになります。
ネット上でかなり評判がいいのも頷けます。
価格差は性能というよりも、生産国のちがいだけ?
ドライバーはヘッドホンの心臓部。
ドライバーの品質が最重要なポイントです。
それが、K701,K702,K712PRO,そして下位モデルのK612PROでもまったく同じということは、ちょっと拍子抜けというか、色々考えさせられますね。
K701,K702に関しては、見た目や構造的にほとんど差がありません。
ケーブルが着脱できるか、カラーリングが違うかどうかだけ。
上位機種のK712PROに関しても、カラーリングが違うだけで、構造やドライバーカプセルは一緒。
なので、もしかしたら
「K712PROは生産国が中国ではなくスロバキアorオーストリア」だから値段が高いだけ??
ということなのかもしれません。
内部のアコースティックのチューニングが若干ちがう可能性は、サービスマニュアルを見る限り、かなり低いですね…。使われている部品がほぼ一緒なので…。
K612PROのコスパの良さが際立つ
そして、700番台よりも下位モデルのK612PROに関しても、同じようにDKK45という型番のドライバーカプセルが搭載されています。
K612PROは1万円台前半。
K712PROは約3万円ほど。
両機種の価格差は倍以上。
それなのに、使っているドライバーは全く同じ型番。
その他の構造的な部分も、ほぼ同じ。
これは、K612PROのコスパがめちゃくちゃ高いということだし、逆にK712PROは、生産国にこだわりがなければ、費用対効果としては、そこまで…という感じなんではないでしょうか。
まとめ:ケーブルや装飾、生産国のちがいで選ぶAKGヘッドホンいろいろ
まとめると、
以下のAKGヘッドホンのドライバーはすべて共通なので、基本的な音は一緒。
ちがいとしては、生産国や装飾、付属品などの付加価値ということになりそうです。
K612PRO:中国製・装飾少なめ
ドライバーDKK45
ケーブル直付け
実売価格:1万円台前半
K701:中国製・装飾あり
ドライバーDKK45
ケーブル直付け(4芯構造)
実売価格:1万円台中盤
K702:中国製・装飾あり
ドライバーDKK45
ケーブル着脱可
実売価格:1万円台中盤
K712PRO:スロバキアorオーストリア製・装飾あり
ドライバーDKK45
ケーブル着脱可
実売価格:3万円ほど
という棲み分けがされていますね。
K612PROのお得感は魅力的
AKGの開放型ヘッドホンラインナップの中で一番安いのに、上位K712PROと全く同じドライバーを搭載。
左右の周波数特性のマッチングもおそらくされている。
ケーブルも直付けなので、端子による信号ロスも最小限。
そう考えると、費用対効果で考えた場合、ベストバイ機種はこのK612PRO。
AKGの中国工場は、深圳にあるらしいです。
深圳は、数々のオーディオメーカーが拠点をおく、中国の中でも特にモノ作りのレベルが高いエリア。
生産国にこだわりがなければ、K612PROのお得感がかなり際立ちますね。
K701はケーブル直付け+4芯構造という音質的なメリットあり
K701も、ケーブル直付けならではの信号ロスの少なさや、ケーブル自体も4芯構造になっているということの特徴で他モデルからの差別化を図っています。
経験的にも、AKGヘッドホンはミニXLR端子で着脱できるものよりも、ケーブル直付けのモデルの方が音のスピード感があってクリアで解像度がクッキリ高い印象。
K702とK712PROの違いは生産国だけ?
問題は、K702とK712PRO。
この2機種は、ドライバーカプセルは全く同じDKK45。構造も一緒(サービスマニュアルを見る限り、少なくともそう思える)
なので、K712PROがK702の倍ほどの価格なのは、純粋にヨーロッパ製造だからだけなんじゃないか…音的には全く一緒なのでは?と思います。
K712PROもK702も、両方試聴したことがありますが、その時は、
ほぼ一緒の音だけど、K702の方が若干低音よりかな〜??
と思った記憶があります。
これは単なる個体差だった可能性もあります。
それとも、ドライバーは一緒でも、内部のアコースティック構造が少しちがうんですかね…。
一つだけ明確に言えることとしては、
やはりドライバー自体は同じものなので、そうそう明らかな違いは生まれにくいんじゃないかな…ということ。
インピーダンスや周波数特性などのカタログスペックも全く同じですし。
※K712PROは、左右のドライバーの周波数マッチングをおこなっている可能性があるので、その点有利。
ドライバー以外の部分で強いていうならば、内部配線のパーツのクオリティとかですかね。
生産ラインが違うので、K712PROの方が良質な線材を使っている?可能性はあるかもですね。
誰か詳しい人がいたら、教えて欲しいものですなぁ。
以上、AKGの開放型ヘッドホンに関する考察でした!
参考になれば幸いです。
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